今週のおすすめ本 |
ブック名 | 仕事と年齢にとらわれないイギリスの豊かな常識 |
著者 | 井形慶子 |
発行元 | 集英社文庫 | 価格 | 1575円 |
チャプタ | (はじめに)イギリス人はなぜゆっくりと人生を楽しめるのか @仕事とお金を生み出すスローライフ Aいつまでも楽しみがつきない生き方の知恵 B若さにしがみつく不安の本質 C仕事ヌキの人生に価値はないか D日英でこんなに違う田舎暮らしの背景 Eいくつになっても好きな人に囲まれる環境作り F人生の幸せは勝ち負けでは決まらない (おわりに)英国人スローライフのすすめ |
キーワード | 年齢、ゆっくりと、人生のものさし、楽しみ、人の輪、田舎 |
本の帯(またはカバー裏) | 人生の賞味期限は長い。なぜ何かにしがみつかないと不安なのだろう。 ベストセラー『お金とモノから解放されるイギリスの知恵』の著者が書き下ろす ”英国流スローライフ”のすすめ ゆっくり生きて手に入れる幸せな人生がある。 |
気になるワード ・フレーズ | ・「イギリス人が歳をとることを人生の終わりだと思っていないからだよ」 ・この夫婦はとりたててこんな暮らしを目指してきたわけではない。彼らはただ 好きな場所に住んで、自分達ができることを始めただけだ。 ・「趣味が高じて」という言葉は日本にもあるが、イギリス人の暮らしを見ていくと、 遊びが仕事、ひいては収入につながっていくケースが多々ある。 ・イギリス人は年齢に関係なく新しいライフスタイルにチャレンジすると前に書いたが、 その背景には人に負けない特技や趣味を若い頃から大切に育む姿勢がある。 ・金が最終目的ではない。 ・コミュ二ティの発想を持たない日本人にとって、地方の町でいきなり地域社会を作ることは、 予想外の歪みを生み出し、日常生活の破綻を引き起こす。 ・「イギリス人は、生まれた時から両親とは別の部屋で育ち、18歳で家を出る。仕事、 結婚も身内に頼ることなく自分で決めていくんだ。こんな自立心が齢をとっても揺るがないためだ」 ・彼は日本人が未知の人との出会いを興味深いと思わない限り、どんな条件のいい土地に住んでも、 満足して暮らすことは永遠にできないだろうと言った。 ・「50代になると男性ホルモンのテストステロンが低下して性的機能も低下し、 血管障害が起きるため知的機能も衰え始める。そんなハンディを背負いながら、 彼らは新たな定年後の人生を組み立てなければいけないプレッシャーに立ち向かうのだ。 これは現実を見ないように生きてきた日本人にとってかなりの重荷だ」 ・「この世の中は競争時代というけど、それはすべて他人との比較なんだ。好きな人に思いを 打ち明け、それが受け入れられた瞬間、たとえ失業していても、ボロを着ていても自分は世界一の 幸せ者だと思える。それはまさに人生の頂点に登りつめた気分なんだ。そんな自分の中に 発生する幸福に目を向けて生きることを知っていれば、生涯、社会的成功にとらわれることも 振り回されることもない」 ・過度の信頼や熱狂に振り回されず、現実を直視する態度だ。それを持って生きることができたなら、 私達の失意は希望に変わり、最後まで人生を謳歌できるのではないか。 ・日本人は異質な人に対するコミュ二ケーション能力がないんだ。イギリスは高齢者を 友人に持つ若者が普通に存在するし、付き合う相手の国籍も気にしない。ところが、日本人はいまだに 自分の属しているものに縛られている。パーティー会場で日本人同士はすぐかたまるし、 しばらくすると年齢や出身地によってさらに分かれてしまう。 ・日本は様々な面でウォーキング大国イギリスに遅れをとってはいるものの、最近街中を歩く中高年は とても増えてきた。ただ体力保持、健康のため手袋をはめ、万歩計を持ってロボットのように 前進する日本人に比べ、イギリス人は歩く楽しみに力点を置く。 |
かってに感想 | 本の帯、「スローライフ」確かに日本人は急ぎすぎているように思う。 とは言っても、一日24時間は、イギリスでも日本でも同じである。 では、何が違うのか....、とにかく読んでみたい、そんな気持ちになったのだ。 読み終えて、何が違うのかと考えてみた。 大きな1つのポイントは、人として成熟した社会であるということ。 それは、人が何々しているから自分も、という一律を好むというか、同じでないと 落ち着かない日本人。 例えば、いい大学に入り、いい会社に入る。 その前には、いい幼稚園、小中高ときりがないのだ。 何かがずれているような気がする。 その点、イギリス流はとにかく自分流、自分にあった仕事、自分にあった住むところ、 自分にあった人との関わり、それを一生かけてそれこそ楽しみながら作りあげていくのだ。 だから、仕事、学歴、年齢は全く関係ないのである。 日本人は、まずは組織に属すこと、そこから始まる。 そして、その組織の枠から、決して抜けられないのである。 まずは、協調性の名の下に、自分を殺すこと。 組織内での仕事も転々と変わるから、自分の仕事はと聞かれると何もないのである。 でも、江戸時代の日本人は違ってたような気がする。 他国の影響を受けない鎖国が、日本人のよさを十分に引き出したのだ。 それは、他者を気にしなくてすんだからだと思うのだがどうだろう。 もうひとつのポイントは、「コミュ二ティ」を形成し、見知らぬ人と共に生きられること。 これは、個人主義を利己主義とはきちがえている今の日本人には、一番苦手なことではなかろうか。 本の中に出てくるが、「コミュ二ティ」形成能力がない日本人が、ヨーロッパ人のマネをして、 新タウンを形成して失敗している例や、外国に快適な生活を求めて言葉の壁で躓いた例で 十分すぎるほどわかる。 一方で、この本からいくらヒントをもらってもどうにもならないものがある。 それは、クィーンマザーとか、政治とか社会慣習である。 こんなものは、はなからあきらめてしまえばいい。どうみても5年や10年で変わるとは 思えないからである。 さてさて、では、自分にもいただけそうなもの。 それは、今でも遅くはない、そしてゆっくりと続けられること。 仕事を離れた仲間を作ることであり、続けられる「自分の楽しみ」を見つけることのようだ。 そして、自分の中で変えていきたいこと、言い聞かせたいこと。 遊びや趣味を仕事に変えることができないかとか、 今就いている仕事がずっとあると思わないことである。 終わりに、ちょと今の日本は、おかしいなあと思ってる人なら、 この本から、自分を変えてみようと思うことが必ず出てくるはずだ。 そのぐらい刺激が受けられる本なのである。 さらに、付け加えるなら、定年ですべてが終わると思っている人には、 是非読んでもらいたい本である。 「若さがなくても、学歴や誇れる仕事がなくても、歩き続けた人生を振り返った時、 そこには他の誰のものでもない、その人だけの道のりができあがっている。それこそが、 誰もが作り出せるかけがえのない実績なのだ」こんな言葉を言えるようになりたいもんだ。 |
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