今週のおすすめ本


ブック名 快楽生活術
著者 今井毅
発行元 NHK出版 価格 714円
チャプタ
T部 快楽生活のすすめ
@生きる喜びをつくる快楽活動
A共に生きる喜びをつくる快楽共創
B長引くと危ない快楽失調3タイプ
C日本を元気にする快楽生活サービス
Dだれでもできる快楽生活術

U部 お茶の間プロジェクト
@快楽生活を診断する
A快楽生活の目標をたてる
B快楽生活の技能を共創する
C快楽生活の体調を共創する
D快楽生活の態度を共創する
E快楽生活を仲間を共創する
F快楽生活を用品を共創する
G快楽生活を空間を共創する
H快楽生活を時間を共創する
I快楽生活を情報を共創する
J快楽生活を資金を共創する

キーワード 夢中、またしたくなる、孤独、着手する、継続、まね、仲間
本の帯(またはカバー裏)
インターネット、ボランティア、自然散策、園芸、旅行・・・。
人生を豊かにする快楽活動を、生活に取り入れるツボを徹底解剖。
書き込み式の図表で、最も自分に合った方法を読者自ら探る、
ユニークな生活改革の手引き

気になるワード
・フレーズ

・「この目で見たい変化があるのなら、僕たち自身がその変化にならなければならない」(マハトマ・ガンジー)
・日本人の98.3%(アメリカ人は67.7%)が快感をつくりだす物質セロトニンの少ない遺伝子 をもっていることが明らかになっているからです。
・人は誰でも、他の人や文化や自然の恩恵に浴することによって自分の価値を強く感じられるようになるのです。

・自分でやれることを他人に頼っていると、うまくいかない時には他人のせいにしがちです。
・自分流に生きるコツはと聞くと、「何か捨てなければ、何かが始まらなかった」
・あなたが、これは面白いとおもって夢中になったことを思いだしてみてください。

・「英語のシニヤは関西弁で発音すると、『死にや』と聞こえるのです。甘えの構造にどっぷりつかって いるお年寄りをみるにつけ、若い世代からいわれてもしょうがない。高齢者施策ももう十分でないかと さえおもいます。
・わたしたちは、自分の能力や役割を他者の幸せに役立て楽しむことができます。 手伝う・協力する・相談にのるなどの援助行為がともなっていれば、これが他者の 喜びを我が喜びとできる「貢献型の楽しみ方」です。
・楽しみのない生活のつけは老後にまわる。楽しみのない人は痴呆になる可能性が25倍も高いという。 心地よい自分の居場所を求めて、徘徊し、閉じこもりうそをつく。

・はりきりすぎてしまう人。さあ毎日が日曜日だ、と慣れない活動に急にとりくむと、ひざ関節の故障、 日焼けの痛みなどに襲われてしまう。
・多くの人はこの実施の際に、うまくやれる自信、工夫努力する自信があれば、最後まであきらめない で実行します。そしてよい結果がうまれることを知っています。
・技術は、ある目標や課題を成しとげるための手段を、体系や手順にしたてたものです。

・わざを言葉で説明することは少ないものです。自分で行って見せて、それをまねさせています。
・暗黙知・・・体は、語れること以上のことを知っている。
・暗黙知も、週一度の練習だは忘却が多く、大きな上達は期待できません。・・・忘却を最低限 おさえるためには、週に5度の練習が必要となります。

・病気であっても、挫折しても、高齢期を迎えても、「快楽活動は、夢を共にする仲間と共に生きる 喜びを味わう活動だ」と質的に考えられる人は、生きる希望をもって幸せに過ごせます。
・「快楽活動は、日曜日、休日、長期休暇、定年後に行う活動だ」と量的に考える人には、孤独や わびしさしかもたらさないことになります。
・快楽活動自体は、自分を好きになる生き方や共に生きる喜びをつくる道具です。道具ですから、 使い方しだいで善くも悪くもなります。

・孤独は、自分の知らないもうひとりの自分に出会えるチャンスです。たとえば読書は、著者の 考えや、生き方にふれながら、同時にあたらしい自分と出会うのです。・・・ベストフレンドは、 自分の心の中にいます。
・用品は、体験や成長の手助けをしてくれますが、使いこなせないと楽しくなれません。手入れの ひと手間ひと工夫で、使い勝手を良くも悪くもします。
・望む活動施設を地図と足で探す方法がマッピングです。

・たわいない会話、ぶらぶら散歩、ゴルフ、スケッチなどのように高揚感が低くても持続する おだやかな刺激を楽しむと豊かな時間をもてます。
・自分のしたいこと、自分の好みやライフスタイルがはっきりしないと、情報を適切に選択 できなくなるからです。結果として、情報にふりまわされて、身動きできなくなってしまいます。

かってに感想
題名「快楽・・・」からすると、どうもいかがわしい本を想像してしまう。
それは、筆者もまえがきで触れているが、「繁華街の風俗店でお金で買う さまざまな快楽・・・、タイトルを見て本書を手にとることをためらった人・・・」、 でも私の場合、全く買うのにためらいはなかった。
というのは、偏った快楽も嫌いではないからである。

この本は、ここ数年、私が求めてきたセカンドライフについて、どのようにすれば自分のしたいこと が見つけられ、どのようにすればうまく実行できるのか、それに十分すぎるほど応えてくれた本なのだ。
読み進めながら、自分のものになるよう、するよう何度も読み返しながら前に進んだ。
さらに合点がいくように、過去、現在、未来の快楽活動を、 お茶の間プロジェクト用紙の順序に従い、書き込んでみた。

なんとなんとスムーズに書き込めるではないか。
いままでいろいろなノウハウ本を読んだが、実にやさしい解説なのである。
問題は筆者が言うように「着手」するかどうかなのだ。

本の構成は、T部では「快楽生活をすすめ」を説き、U部で具体的な進め方を説いている。
読者はまず、こんなフレーズにハッとさせられる。
「わたしたちは、本当にやりたいことや好きなこと、心底から楽しむことが意外とできなくなっています。 それは、『無趣味な人間と言われたくないから』とか『健康のため』とか『定年後のために』など、 純粋でない動機でやっていることが多いからです」、気付かれされた人が多いのではなかろうか。

さらに、「快楽活動を純粋な動機で楽しむことの正当性は、またしたくなるからするという人間の 基本的な要求にあります」と続く。
この「またしたくなる」この言葉なのだ。
それが本当の自分に合った「快楽活動」なのである。納得できた。

そして、快楽生活は、活動に必要な諸条件を、恩恵に浴する(援助される)→自助努力する→ 援助するという相互依存の行為によって、依存段階から自律段階そして貢献段階へと ステップアップするというのだ。
さてさて、わが快楽活動は、このような発展段階を踏んでいくのでありましょうか。
まあ、あまりむつかしいことは考えずにどんどん動いて、続けて見ようと思う。

5つの快楽活動要求についてちょっと書き出して見よう。
自然に対する欲求、人・社会に対する欲求、知識に関する欲求、体に対する欲求、心に対する欲求。
これらの欲求からやりたいことが、過去したこと、現在してること、新しく挑戦したいことが 出てくれば、もうしめたものである。

次のステップで次の諸条件の整備を進めるのだ。
目標→技能→体調→態度→仲間→用品→空間→時間→情報→資金
セカンドライフでやりたいことが見つからない人、過去快楽活動に挫折した人、 少し興味が湧いてきた人、是非一読をお勧めしたい本である。

最後に、自分への戒めとして、 押し付けられた情報(テレビの視聴率稼ぎの暴力やセックスの快楽、インターネット等々) に惑わされて、自分が本当に楽しいことが何なのかを忘れないようにしたいものである。


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