今週のおすすめ本 |
ブック名 |
定年前後の自分革命 |
著者 | 野末陳平 |
発行元 | 講談社 | 価格 | 714円 |
チャプタ |
@「うつ」になる人,ならない人 A家族に好かれる家庭での過ごし方 B会社人間後遺症の対処法 Cなにからなにまで自分革命 D生まれ変わって自分を生きなおす |
キーワード | 遊び,自立,ヘソクリ,脇役,料理,社外人脈,不眠症 |
本の帯 | 誰もが難儀する定年に備える実践的な知恵!!誰も書かなかった,きたる べき人生を快適に暮らすための三大法則と5カ条。著者が目撃した友人たちの実際から書き下ろす,夫と妻の定年学!! |
気になるワード ・フレーズ |
・老後は悠々自適,なんて甘い哲学幻想に惑わされるな。会社人間がろくな準備もしないで,現役時代と変わらない会社人間のままの体質で安易に定年を迎えると快適ならざる老後に悩まされてうつ病に苦しむ。ここを切りぬける道は一から十までの全面的な自分革命だ。 ・世の亭主族よ老後の安定と幸福はあなたが主役から脇役にいかに転身するか,ここにかかっているのです。定年後の大敵は,無趣味と家に引きこもるこの2つです。 ・自分の居場所 @お金になる仕事を求めても,定年後にとってそこには自分の居場所がない。お金にならないサービスの中にこそ,居場所がある。 Aもはや会社や家庭に居場所を発見するのは至難の業だが,街には自分の居場所がある。群衆の中でこそ心が安らぎ,落ち着ける場所がある。 B妻以外の女友だちをつくったらどうか。彼女は複数でもかまわないが,新しい男女交際の中に自分の居場所が見つかるかもしれない。 ・出不精が人間を老化させる。用がなくても街をほっつき歩け ・定年後を機に過去を忘れ過去を捨てそれまでの自分と縁を切って一から出直す。こむずかしい人生の意味づけをいっさい排除して,一から十までなにからなにまでトコトン自分を革命して別の自分となって人生の再出発をする。 |
かってに感想 |
定年をテーマにした本は,自分なりに意識してかなり読んできた。「定年で男は終わりなのか」「定年百景」「定年後」等々 何かしら上手に第二の人生に軟着陸した人たちの話や上手に軟着陸しようとする話ばかりであった。 この本は,筆者野末陳平氏の周囲にいらっしゃる人々の生々しい笑うに笑えない話である。 「うつ」「家族との関係」「会社人間後遺症」を克服しなければ,テーマのなかにある「自分革命」は困難ということだ。 たぶん多くのサラリーマンは,なんとかなるという気持ちが強い。そういった気持ちはこの本を読めば大きな間違いであることは明らかである。 特に専業主婦に依存してきた体質を当たり前と思っておられる方,会社で地位が高く身の回りの世話をすべて部下にしてもらっていた方の落ち込みようは激しいようである。 ただその人たち以外なら大丈夫かというとそうではない,なにかしら会社へ出れば一日がすぐに終わっていた人たちも,長年の会社依存型から脱却することは困難を極めるらしいのだ。 もちろん,早めに助走・準備を始めることを筆者は進めているのである。 読んでそれぞれが自分革命をしなければと思うかどうかは別として,何か思い当たるところはかならすあるはずだ。 ちなみに陳平氏の言う,きたるべき人生を快適に暮らすための三大法則と5カ条を紹介しよう。 まず,三大法則「ひとりで遊べるクセをつける」「会社を離れていける自分を作る」「ヘソクリを貯める」 そして,自立人間5カ条,「妻に内緒で秘密の金を持つこと」「妻とは別室で寝るクセをつけること」「自分のめしは自分でつくれること」「主夫業を楽しくこなせる男になること」「主役の座をおり,家庭内の脇役に徹すること」 自分に照らしてみると,ヘソクリは少しはあるが陳平氏によれば,5百万円持てとあるから目標はほど遠いので内緒で頑張ってみたい。今は単身赴任だからめしをつくるとか別室で寝るはそれなりにできるだろう。 「主夫業を楽しく」は,毎日のことだからかなりむつかしい。「家庭内の脇役」自分の深層意識には自分が稼いでいるという意識はある(飲むとついえらそうに言ってしまう)が,かなり脇役になりつつある。 |