今週のおすすめ本


ブック名 余生堂々
(副題)60歳から始まる黄金の人生
著者 松木康夫
発行元 祥伝社 価格 1680円
チャプタ
(序章)余生堂々と
@「長命」よりも「長寿」たれ
A「若い肉体」を作るために
B「健やかな心」が黄金の人生をくれる
C「守り」を固める
Dもう手が届く「夢の医学」
(終章)「黄金の人生」を歩き始めよう

キーワード 健康法、趣味、友達
本の帯(またはカバー裏)
「日本人の”定年後”に夢と希望を与えてくれる」(出井伸之)
「名医が贈る、刺激的で機知に富んだ提言」(渡辺淳一)

気になるワード
・フレーズ

・おだやかに生を終える人と、この世に未練たっぷり、口惜しそうに苦しみながら 亡くなっていく人、この2つの型があるようです。
・死に際しては、その人の生前の地位、名誉、財産、活躍の度合など、まったく 関係ないわけです。
・第二の人生では、自分にとって楽しいこと、よい人間関係、体によいことなど徹頭徹尾、 自分に合わせて自然体でいくことができます。

・攻めの健康法…肉体の健康法、脳細胞の健康法、精神の健康を保つメンタルヘルス、 そして食事による健康法の4つから成り立っています。
・体を動かし続けると、体力の衰えが非常にゆるやかなものになるということです。
・ストレスは高血圧も作ります。最近話題の「白衣高血圧」もそのためです。

・セックス不能になった途端に生きがいを失い、うつ状態になり、すっかり老化してしまう 男性もいるくらいです。
・すべての老化現象は必ず脚からやってきます。
・守りの健康法とは、生活習慣病に対する守りです。





かってに感想
題名につられて買ってみた。
どうも読後感がすっきりしない。
第二の人生の考え方の違いからだろうか。どうもそれがすべてではない。

読み進めるにしたがい、住む世界が違うと感じる。
これは、エリートの人たちのための本だと思ってしまう。1週間に2度ゴルフというのが 受け付けない原因かもしれない。
サラリーマン生活を長くやって、一杯飲み屋でなんだかんだと仲間と話すことを楽しみにして 生きてきたからかもしれない。

やはり、私が求めているのは、いま第二の人生の助走路で何をしておくべきなのかということ。
第一の会社の延長上にある第二の会社でその助走路で飛べる飛行機になりたいのだ。
ちょっとすっきりしないことを3つあげてみよう。そうすれば、その逆が自分の考えになるということ。

まずは、序章で「余生を『黄金の人生』にする『五つのリッチ』」である。
「『タイムリッチ』・・・1分1秒も無駄にしない」というのがある。
1分1秒こんなフレーズを読んでしまうと効率化とスピードばかり気にして生きてきた会社人生の 延長上に思えてならない。

「『フレンドリッチ』・・・性質の違った友人」というのもある。
転勤ばかり続けてきた人間に60歳過ぎれば、 そんな友人がすぐにできるというものでもない。
「『ヘルスリッチ』・・・ゴルフと人間ドック」というのもある。
ゴルフと人間ドックという言葉が、本質的に好きになれない。気が重くなってくる。偉そうにした 医者との出会いしかないからかもしれない。

「第二の人生では、やり残した好きなことだけを、奥さんと一緒に思いっきり楽しめばいいのです」 なんていうが、長年愛想をしてこなっかった女房殿は、すでに自分の輪を作っているのである。
さらに、やり残した好きなことだけをと言われても。仕事が趣味で、無趣味を自慢してきたもの にやり残しも何もないのである。
実に困った人たちなのである。

次に三人の主治医というのがあり、第一は自分、第二が配偶者、第三が主治医、ここまでは なるほどと思う。
次が、その主治医、「よいお医者さん」をどう選ぶかなのだが。
14項目もある。うんざりである。これといって病気をしてこなかったものにとって、 どうやって探せというのだろう。アメリカと違い医者のデータベースが公開されていない以上、 至難の業である。ましてや14項目も合致する医者などいるわけがないのだ。

最後に、「夢の医学」である。列挙してみよう。
ガンを退治する、遺伝子診断・遺伝子治療、難病の特効薬、臓器移植、臓器機能の再生、
ウイルスの特効薬、抗ストレス剤の発達、女性の老化とホルモン、男性の性、
ぼけ防止の医学発達、老化防止。
体が不自由に生まれた人たちとっては、夢でもなく一日も早くこういった医学の発達を 望んでいるだろう。
また、夢の医学の行き着くところは不老不死かもしれないが、それで人間はどう生きるのか、 いつから第二の人生なのか、 どう死ぬのかということになるのではなかろうか。死とはなんぞや老いとはなんぞやである。

気に食わないことばかり書いた。でもいいものも大いにある。
まずは、七つの「快」で健康法。
快食、快眠、快便、快尿、快汗、快声、快精、詳しくは本書を読まれたい。

次に、第一と第二の人生の違いを明確にしていること。
それは、仕事、仕事上の付き合い、家庭、友人、帰宅、年休・夏休、金銭、行動、 心のゆとり、メンツ、詳しくは本書を読まれたい。

そして、黄金の人生をつくるコツ。
家庭こそオアシス、ユーモアは平和と長寿の源泉、旺盛な好奇心・豊かな感性・そして生きがい、 怒るなかれ、詳しくは本書を読まれたい。
最後に気に入ったのは、本文中にある森繁久やの「人間の生きがいや情熱の対象は、 どこにでも転がっているんだ。それに気づくかどうかだ」の言葉と、筆者が常に奥さんを大事にしている ところである。


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