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陶芸のおすすめ本


ブック名 趣味力
著者 秋元康
発行元 NHK出版 価格 693円
チャプタ
@今日した仕事に「初めて」はあったか
A男を強くするこだわりと偏り
B僕は趣味のギャンブルから人生を学んだ
C趣味探しとは自分の価値観探しである
D趣味は人生だ

キーワード ギャンブル、楽しい、陶芸、やってみる、埋もれた才能、即行動
本の帯(またはカバー裏)
秋元康が、今、いちばん言いたいこと
「趣味力が人生の濃さを決める」

気になるワード
・フレーズ

・趣味を持つことも、陶芸を習うのも初めてのこと。とくにこの年になって、人からものを 教わることが「こんなに刺激的なことなのか!」と再発見したような気がしている。
・日常に追われて「毎日、同じ繰り返しだな」と感じている人がいたら、趣味を始めることを 是非おすすめしたい。「だんだんドキドキワクワクすることがなくなってきたな」という 人にこそ「初めてのことを始めてはいかがですか」と言いたい。
・僕の人生観は毎日を充実させたいということ。必ずしも仕事の結果や数字だけが目的ではない。 陶芸を始めたのは、そんな心境の変化もあった。

・人は残りの時間を意識したとき、その時間をどう使おうかと考える。人生がカウントダウン されて、残り時間が出てきたとき、毎日を楽しく過ごせる方法を見つけたいものだ。
・ひとつには陶芸には正解がなく、自分のために作れるからだ。
・いびつな形だろうと、下手クソであろうと「ボクはこのボクの作品がすごくいいと思う」 ということが成立する。自分が満足すればいい、ということに徹しているから面白いのだ。

・陶芸は「人はこういうものを欲しがっている」と考えて作らなくてもよい。むしろ 自分で好きなように作ってこれを欲しいと言ってくれる人はいるだろうか」想像するのが 楽しいのだ。
・何歳になろうと、自分の才能はどこかに潜んでいるのかわからない。自他ともに認める ぶきっちょな僕が陶芸を選んだ理由のひとつには、その潜んでいるものを、探しているような ところもある。
・日常の中に「初めて」はたくさんある。「初めて」を見つけるのは「初めて」を 見つけようとするあなたの積極的な意識なのだ。

・年をとることが、決してネガティブなことでないのは、自分という人間がわかってくる というところにある。
・僕などは、ひょっとしたら陶芸家になれるのではないかと思い込んでいる。 もちろん趣味が簡単に仕事になるほど世の中は甘くない。だけど夢を見るのはいくらでも できるのだ。
・人生を変えるのは、おだてられてやる気になる自分の意思なのだ。

・趣味を見つけるのも、それを仕事につなげるのも、きっかけは自分で作るしかない「思い 立ったら吉日」なのだ。
・趣味を持つということは、行動しなければ始まらない。男性は趣味を持ちたいといっても、 内的要因と外的要因が組み合わせられないと、行動を起さない。
・現代は情報過多の時代である。この時代、無意識のうちに「休日はこういう過ごし方をすべきでは ないか」とか「中年世代にはこういう趣味がふさわしいのではないか」という情報が刷り込まれ、 いろいろ趣味をやってみようとはするが、実際にやってみると、本音では「あまり楽しくない」 ということになる。

・たかが趣味といえども、まずは自分の心に正直になることが大事なのではないだろうか。
・自分がやりたいことや楽しいことをやるしかない。情報も流行も関係ない。
・趣味を始めるとき、大切なのはまず行動することである。

・僕が陶芸で学びたいのは、自分がイメージするものを作るためのノウハウである。
・きれいな底の作り方、模様の描き方、丸みのつけ方、基本をしっかり学んだら、その広がり たるや、いろいろなものが作れるのではないか想像するのである。だから、基本を学ぶ 過程でうまくできなくても、少しくらい失敗しても僕はまったく気にならない。 かえって失敗して、先生に教わったほうが得るものがある。
・趣味には具体的な「探し方」など、どこにもないのだ。「こうやって見つけなさい」 「こうすると見つかりますよ」という答えはない。
・趣味を持つのは定年になってから、と決められているわけではないのだ。僕はすぐに 始めることをおすすめしたい。

かってに感想
良い本を見つけたとまず思った。
というのは、昨年NHKの教育番組「趣味悠々」を見て、「え!この人がこんなことを始めたのか」と 興味深々で何度か見ていたからだ。
そして、私自身、セカンドライフをキーワードに46歳から、いろいろな「初めてのこと」に、 年3つを目標に、チャレンジしてきたからでもある。

この本の「はじめに」に、「『趣味は仕事です』とずっと、言い続けて来た」とある。
46歳の筆者が、自分の生き方に疑問を持ち、これからの人生に対する問いかけをした結果。
ある日、知り合いから貰った陶器を眺め、こういうものを作ってみたいと思ったのだ。

仕事に没頭する筆者がなぜ陶芸に。
題名が「趣味力」とは言え、陶芸ワードが一杯出てくる所を見れば、もう陶芸に夢中だということが 分かりすぎるほど分かる本なのだ。
この陶芸を始めた理由などを通じて、趣味を始める時期、どんな趣味を選択するか、刺激的なフレーズ が沢山貰える。

私自身も40代前半まで、仕事ばかりして、無趣味を通してきた。
現場に出たことが、自分はこのままでいいのかと、忙しく働いてきた自分を振り返るきっかけと なったのだ。
そんなことを思い出しながら、 第3章の「僕は趣味のギャンブルから人生を学んだ」の32ページ分は全く興味がないので、 飛ばして一気に読んだ。実に刺激的な本だった。

いままで、自分がセカンドライフについて、いろいろやってきたベースの考え方が、そっくり 凝縮されて書かれているからだ。
自分のHPに整理してきたことを、うまくまとめてくれているから実にうれしい。
いいフレーズを逃さないようにと読んだら、知らぬ間にポストイットだらけになってしまった。

定年を間近にひかえ、無趣味を通して来た団塊世代に是非読んでもらいたい本だ。
特に、定年になってからゆっくり始めればよいと思っているおやじは、必読の書である。
そこで少し、刺激的な「小見出し」を抜粋しておこう。

「定年になってから」ではなく、今、始めよう。人生は予定通りにならない。
趣味は人生の帳尻合わせ。楽しくない時間を楽しいと錯覚していないか。
自己満足の連続が幸せになる。一生かけて一生モノの趣味を探す。

最後に、「趣味は、とにかくやってみなければ自分に合うかどうかはわからない」ということなのだ。
それには重い腰をあげて、まず動いてみよう。自分でやりたいものをまずやってみる。
そして、人の目を気にせず、失敗を重ねながら、さらにステップアップする。 楽しくなければ、やめて、違うものを探せばいいのである。


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