今週のおすすめ本 |
ブック名 | 話を聞かない男、地図が読めない女 (副題)男脳・女脳が「謎」を解く |
著者 |
アラン・ビーズ バーバラ・ビーズ (訳)藤井留美 |
発行元 | 主婦の友社 | 価格 | 700円 |
チャプタ | @同じ種なのにここまでちがう?◎偉大なる進化の過程 Aそうだったのか! Bすべては頭のなかに◎これは事実?それともフィクション C話すこと聞くこと D空間能力◎地図と縦列駐車 E思考、態度、感情、◎災害の発生しやすいところ F不思議な化学変化 G男は男、でも・・・ H男と女とセックスと I結婚、愛、ロマンス J新しい未来 |
キーワード | 男脳・女脳、空間能力、感覚能力、胎児時期のホルモン |
本の帯(またはカバー裏) | 「男と女の謎」を解き明かし、日本200万部、全世界で600万部 42カ国でNo.1となった。 |
気になるワード ・フレーズ | ・この本には挑発的なことが書いてあったり、衝撃的な内容があるかもしれないが、 つまらないということは決してないはずだ。科学的な事実を下敷きにしながらも、 できるだけ堅苦しくならないように、日常よく見聞きする会話や状況、考え方をおもしろおかしく ちりばめた。 ・医学や心理学、社会学の研究成果はすべてひとつの結論を示している−それは、男と女は ちがうということだ。同じ人間というだけで、すべて平等というわけにはいかないのである。 こうした男女のちがいは社会が作りだすというのが、20世紀の考え方の主流だった。 ・男と女のちがいを考察していると、かならずこう言い出す人が出てくる。「いや、これは 私じゃない−私はこんなことはしない」。たしかにそうかもしれない、だが私たちが取りあ げるのは、男女の平均像である。つまり多くの場合、かなりの数の男(女)がするであろう 行動、あるいは実際にしてきた行動ということだ。 ・女は周辺視野が広く、男はトンネル視が得意。 ・人体や脳は、すべて女が出発点になっている。だから男にも、乳首や乳腺といった 女の特徴が残っている。 ・おしゃべりを通じて人間関係を作りあげることを女の脳は最優先している。・・・ 1日平均2万回もコミュニケーションとしての「言葉」を発してメッセージを伝えているのだ。 ・・・・男は・・・コミュニケーション活動は7000回で女の3分の1強しかない。 ・女は複数の話題についてしゃべりながら、同時に他人の話も聞くという驚くべきマルチトラック 能力を発揮できる。 ・女と良い関係を築きたいのなら、まずは女の話を聞くことだ。 ・空間能力とは?対象物の形や大きさ、空間に占める割合、動き、配置などを思いうかべること。 ・脳の特性から来る生まれつきの向き不向きを考えず、持てる能力とは無関係な仕事や目標に むだな労力を費やす女はたくさんいる。 ・男の意識は、結果を出す、目標を達成する、地位や権力を手に入れる、競争相手を打ちまかす、 「核心をつく」ことが軸になっている。女の意識は、コミュニケーション、協力、 講和、愛、共有、人間関係に光が当たっている。このちがいはまさに水と油で、男と女が ひとつの屋根の下で暮らせること自体驚きと言わざるをえない。 ・人類の進化というスクリーンのなかでは、現代社会はちらっと点滅する1点の光にすぎない。 男と女は何十万年ものあいだ決った役割で生活してきて脳の回路もそれに合うように発達してきた。 しかし、現代社会では、その回路が逆に人間関係をややこしくし、誤解を生みだしている。 ・思春期になると、男の子の全身をテストステロンが駈けめぐって急激な成長をもたらす。 ・月経終了から21日間は、エストロゲンのおかげで女は満足感、幸福感が強く、きげんが良い、 性的衝動もだんだん強くなって、18〜21日ぐらい最高潮に達する。この期間には、 ちょうどテストステロンの分泌も最高になる。 ・妊娠初期にテストステロンの分泌が少なく、しかも胎児が男だった場合、女の子っぽい 男の子、あるいはゲイの男の子が生まれる確率はぐんと高くなる。 ・一夫一婦制が確立すると、男が本来持っている激しい性欲が男女間に軋轢を生むようになった。 ・男の性欲は19歳がピークで、あとは徐々に衰えていくが、それは実際のセックス能力の話 であって、セックスへの興味は生涯を通じて色あせることはない。70歳になっても、30歳 のときと同じくらい関心が高い。ただ身体がついていかないだけだ。 ・男社会の伝統が根強い職場で働く女には、2つにひとつの道しかない。転職するか、男になるかだ。 ・これまで出世の階段を昇るには、男らしい特徴や価値観が求められていた。 しかしいまでは、女らしい価値観を持たないと生き残りが難しくなっている。 ・男と女はこんなにかけ離れているにもかかわらず、その関係はうまくいっている。 それは人間関係を円滑にして家族をまとめあげる能力を持つ女に負うところが大きい。 ・いまの社会では、子どもを性の区別なく育て、男女はまったく同じだと教えている。 こういう教育は、長い人類の歴史でも過去に例がない。 ・男は力と達成とセックスを求め、女は関係と安定と愛を求める。この事実に腹を立てるのは、 雨が降ったとき空をなじるようなものだ。雨は降るものだと認めてしまい傘なりレインコート なりを用意すれば、天気も気にならないだろう。それと同じで、男と女ももともとちがう のだからぶつかったり摩擦が起きるのも当然だと覚悟すればいい。 |
かってに感想 | ベストセラーを読む、あまり好きではない。 なぜか、自分が本を選択したという楽しみが打ち消され、主体性がないように思うからだ。 初版が発売され、自分が選択し、その後ベストセラーになる、それは結果であり問題ない。 だから、この本、メル友から薦められなかったら読まなかったかもしれない。 とは言うものの、初版単行本でかなり長い間話題の書になり、気にはなっていた。 意固地なのか、男脳のなせる技なのかとにかく買わなかった。 あれから3年経った。 文庫本化され、気になってはいたが買わなかった。 また、いつも買う書店でベストセラーになっていたからだ。 全世界600万部、そのきっかけは日本で本格的に出版して200万部。 日本人に何が受けたのだろうか、脳の働きに関心がある人が多かったからだろうか。 読後、思うに統計学(占い)的要素が強く、男・女の性向を見事に言い当て、 翻訳が実に素晴らしい。これに尽きるような気がする。 それは、小見出しや具体的な内容の中に散りばめられている集約形の格言の ようなフレーズもさることながら、・・・・・。 やはり、本の題名である。 原文の英語はどうだったか知らないが、 男も女もぴんと来た人が多くいたのではなかろうか。 特に、「話を聞かない男」これで多くの女性を引き付けたのは間違いないと私は思う。 さてさて、前置きが長くなった、内容に触れていこう。 読みながら、引き込まれていく点が3つある。 まずは、チャプタの最初に夫婦の会話を織り込み、 日常生活の中から、男と女、何万年?何十万年も続く行き違いを鮮明にし、 これでもというぐらい思い当たるフシに気付かせる点だ。 次にこころにくい程のタイミングでの男脳・女脳テストである。 ちなみに私は「90点」ゲイでないことだけは確かである。 そして、さらに疑い深き男どものために、最新の脳に関する科学的なデータや、男女への アンケート結果が載せられているのである。 話の展開は、はじめにで「いまの世の中では、技能や適性、能力において男女差はないことに なっている−だが、その前提が完全な誤りであることは、科学の世界では以前から知られていた」 の問題の提起から始まる。 そして、現代社会が男の役割にとっても女の役割にとってもややこしくなってきたのは、 男女共同参画社会というものになったことなのだ。 「いまや家族が生きのびる責任は、男の肩だけにのしかかっているわけではない。女が 家にこもって子育てと家事に専念する時代も終った。現代の男と女は、それぞれの役割をどう 説明していいかわからなくなっている。こんな事態は、人類の歴史でははじめてだろう」 というフレーズで現代社会の問題を明らかにする。 そして、男と女の役割は何十万年に渡って進化してきたが、 その役割について男脳・女脳から見つめ直しているのだ。 男の優れた脳−空間能力−と、女の優れた能力−マルチトラック能力・感覚能力− について、なんら現代も変わるわけでも、変わったわけでもない、相互理解によって、 この問題が解決されていくのだと解くのである。 この本で、私が興味深く読んだところは2つある。 第9章の「男と女とセックスと」と第10章の「結婚、愛、ロマンス」である。 いい年をしてとお思いかもしれないが、性に関しては男として興味が薄れないのだ、 ほんとにお恥かしいかぎりである。 第9章の単刀直訳の小見出しには関心する。 笑われるかもしれないが、書き出してみよう。 「女は愛する男とたくさんセックスしたがる。男はとにかくたくさんセックスしたがる」 「なぜ男は気が多いか」「オンドリ効果」「なぜ男は(ひそかに)悩殺スタイルを好む?」 「男の勝負は3分間」「タマの話」「考える睾丸」「男の眼福」「どうして男は『あのこと』 だけなの?」いかがだろう、興味をもたれた方は、買って読むしかないのだ、700円也である。 終わりに、第10章の話を書いておこう。 この本にある、格言?的フレーズを抜きだしたい。 「結婚は悪いことばかりじゃない。忠誠心、寛容、忍耐、自制などなど、独身のままなら 知らなくていいことをたくさん学ぶことができる」 「女は結婚の代償としてセックスし、男はセックスの代償として結婚する」 「男は理想のパートナーを探しつづける。しかし結局はむだに年をとるだけ」 3つ目のフレーズは、女も同じではなかろうか。 まあ、この格言?を確かめるためには、やはり結婚するしかないのではなかろうか。 終わりの終わりに一言、「男脳と女脳の違い」いずれにしても、知るのにはもう十分すぎる ほど遅すぎたのでありますよ、でもって、未婚の若い男子は是非一読すべしなりであります。 |