読み感 |
会社生活,地域生活,家庭生活,学校生活それぞれのエリアで,人それぞれが選択に迷ったり,何かにこだわったり,差別したりされたり,ちょつとしたことで悩んでいたりする。そんな事例をあげちょっと生き方を考えてみませんかという本である。 特に苦とは「思うがままにならないことを思うがままにしようとすること」確かに四苦の生老病死についてはその通りである。だから老いていくことや死について考えてもどうにもならないことではある。ただ,最近のニュースで自殺者が交通事故死の2倍を上回り,中でも40代の働き盛りのウェイトが増えている,というのがあった。たんに現世がいやで死後の世界に安息を求める,死後の世界があることはだれも知らない。知らないということよりあるものと思っている人がいる。現世の生をまっとうしないまま死後の世界へ逃避する。現世よりいい世界があるように多くの人が思っている。 私を含めた多くの人間たちは,現世の生がふっきれないのである。 多くの人が絶対的に信頼できるものが見つからないため,新興宗教にのめり込んだり,健康のためならいくらでも金をつぎ込んだり,物欲の限りをつくしたり,金の亡者になったり。 筆者の本を読んでいるとき,わかりやすい言葉で道理を説明してくれる。読んだときはすーっと頭の中にはいってくる。読み終わったときには充足感のようなものがあるが,現実の生活に戻ったときまた迷うのである。無宗教,信仰心がないせいだろうか。 たとえば死後の世界について仏教の基本の態度にそのような問題は「考えるな!」といわれるのであるが,迷える子豚は知りたいのである。だから悩むのである。 |