読み感
  • 佐橋慶女作:四十代から楽しむ五つの貯え
知識・知恵,趣味,友人・仲間,健康,お金の5つの貯えについて,筆者が積み重ねてきた経験,ノウハウをすべて公開しているのである。やれるものはどんどんやる。そして学べるものもどんどん学んで自分なりのやり方を作ってしまう。限りなきチャレンジャーという気がする。
「本当に日本のビジネスマン,サラリーマンは家庭を顧みずに,ただひたすら会社人間として働いてきて,あっという間に定年を迎えてしまうものだ。」という一文に自分の人生を見たような気がする。この同じチャプタの中には筆者の友達ネットワークの情報がふんだんにある。その中の一つにこんな事例があった男性が定年を迎え5千万円の退職金が入ってくる。妻から「一度現金で見てみたいわ。」の言葉に夫は現金で準備してもらい妻に見せる。翌日妻は現金とともに消えていなくなった。呆然とする夫にいいしれぬわびしさと笑うに笑えぬものを感じてしまった。
44歳から年に3項目ずつ新しいことにチャレンジしている。現在も続いているものが結構ある。著書の中には筆者の頭の回転の速さとアイデア即実行という行動力,ネットワーク作りのうまさ,ポジティブな思考でどんどん画像が動いている。筆者の頭の中はアイデアが浮かべばインターネットのようなネットワークがくもの巣のように翌日にはできあがってくるみたいである。
私も数え年50歳,こんな一文が「とくに50歳は石川達三の『48歳の抵抗』ではないが,男にとってあらゆる面で変わり目の年齢・節目にあたると私は思う」特に印象に残る。忙しさにかまけて家族を省みず42・3歳頃まで仕事,仕事で休暇もほとんどとらず何かしら会社への忠誠心と思って働いてきたが,会社という見えない組織が自分の健康を保証してくれるものでもない。50歳を節目と考え,家族との時間を大切にしながら,自立する自分をめざしたいものである。
また「世間体を考えたら世間がなんとかしてくれるというわけでもない」の世間体の部分を企業に置き換えればよく分かるが,第二の人生選択にあたって企業がなんとかしてくれるものでもないのである。これだけは肝に銘じたい。


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