読み感
  • 井原 隆一作:言志四録を読む
・読書は目的を持って読むと、読んでいるうちにひらめくことがある。
同じ名字で江戸時代に大儒学者がいるというのを最近ある本で知った。足繁くいろいろな本屋に出かけるが見つからない。やっと昨年末に某書店で見つけ,久しぶりに探す楽しさを味あわせてもらった。値段は高いし,分厚い本であったがすぐ飛びついた。
この本は江戸時代末期に生きた佐藤一斎という先生が書いたものを,井原氏が現代サラリーマン・経営者向けに優しく解説したものである。漢文とか古文となると敬遠しがちであるが,仕事への取り組み方,人生の生き方,等刺激になることが多くある。言志四録は全部で4巻あり,項目数にして1333条となっているが,筆者が過去の経験からこれぞと思うもの357条を抜粋している。
1条1条を現代口語文に直すとともに,その条項に関連すると思われる中国古典の格言などを引用したり,主に中国における歴史上の史実を織り込んだり,また筆者の経営者時代やサラリーマン生活で経験したことも織り込りこまれており,実用に耐え得るものとなっている。
一環して筆者が使用する言葉の中に智・仁・勇・恕があるが,特に恕という言葉に共感を覚えている。気になる人生訓については自己紹介の中で順次紹介していきたい。
私自身50を迎える前でもあり,筆者自身がいっている言葉で一番気になったこと−老人の養生法−を最後に抜粋してみた。また,将来に渡ってもこの本はひもといていきたいと思っている。
  (1)心がやわらいでいること
  (2)自然の成り行きに任せあせらないこと
  (3)ゆったり,楽しく過ごすこと
  (4)物事に凝り固まらないようにすること


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