読み感 |
所々自然に対する人間の所業についてチクリチクリとやっているのが印象的である。自然における季節の変化を、花、鳥、野菜、虫の動きや成長過程を自らの感性で素直にとらえ表現している。ベジタリアンの彼女の料理レシピには創意工夫がいくつもちりばめられている。三食何を食べようか。単身赴任男にとって食事のレパートリーも少なく、肉食が余り食べられなくなったお年頃の私には、ただ一言素晴らしいと申し上げたい。 「サザンカの花舞い降りて歩み止め われに告ぐるや急ぐなかれと」文中の短歌であるが、時を急ぐ現代人、気短の自分にぴったりとした忠告でもあるような気がする。 各チャプタの初めに筆者が自然の中で生きる姿が写真で掲載されている、ただ素朴であり、自然に自然の中へ溶け込んでいる筆者が素直に写真から読み取れてくるから不思議である。 |