読み感
  • 樋口 清之作:女の知恵が歴史を変えた
「梅干しと日本刀」の筆者でもある樋口先生がなくなられて1年以上が経つとある。筆者の作品に「逆日本史」シリーズがあり,かなり昔に読んだことがある。学校の歴史の教科書で学んだことのないことがふんだんにあり,不透明な時代には過去の歴史に学ぶべきというが,事実多くの学ぶべきものがあった。
いま,太平洋戦争中,前に起こった事件,南京大虐殺事件・従軍慰安婦問題等で真実はいったいどうだったのか。過去の日本の歴史を見つめ直そうとする動きが出て,本もシリーズで出版されている。
一方ではあくまでも日本の戦争責任を含め,悪い方へと解釈しようとする考え方を持つグループも根強く 残っている。
この作品には,世の中,男と女,時代をそれぞれ男の時代,女の時代と言うように,男女区分で言うように,戦争時代は男,平和時代は女,春秋戦国時代のあとの江戸時代はやはり女の時代であった。この本ではこの時代に活躍した女性の話が多く出てくる。
特に最終章での春を売る女性の名称に,花魁,芸者,遊女,夜鷹,湯女,飯盛り女,比丘尼,女歌舞伎,時代は変わって,呼び名は変わっても性を売る商売のアイデアは多くあることに驚かされる。ただ,江戸時代の性を売るアイデアは女性が考えているが,今の時代は男が考えているアイデアが多い。


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