**********離れ小島****************


母の葬儀の関係でわが娘が帰ってきた。こういう機会でないと親戚 じゅうが集まることはない。
通夜ですしを食べながらビールを飲みながら、母の思い出を話す。

そんな中で娘が、わが頭の毛群をしげしげと見ながら「何か離れ小島」 のようだと言う。
どうやら、ほとんど丸坊主で前頭葉付近にある髪の毛の一群を指して こういっているらしいのだ。
この髪の毛のパターン誰かに似ているという、 だれだ「和田勉だ」あのダジャレの・・・。 ほうそういえば似ている。
でも私の場合、短くしているので・・・

母の思い出を話しているというのに、
このような席上で親父の頭を見て言う娘、なんという娘だ。
このやろうめ。





*********続離れ小島と地震*****************

>どちらも娘さんの意見は厳しいようで............。がんばれ、お父さんと
>私は、心よりエ−ルをおくらさせていただいています。およばずながら。
>でも子供って面白いですよね。かなりダ−クな部分も内包していて。
「離れ小島」の続きですが、こんな話もありましたよ。
先週の土曜日、会社の同期会がございました。
20年以上どういわけか続いていて、酒飲みの馬鹿ばかりが集まってきます。
昔は、急進的な若者もすっかり好々爺になって、はや孫のいるものもいます。
この同期会で頭の話題になり、白髪のものはげのもの黒いもの染めているもの と・・・。
わたくしの坊主姿なかなかよろしいとの評判でございました。
捨てる髪あれば拾う髪ありでございました。

そういえば、いつも辛辣な言葉はく娘に、こんな事件がございました。

ご存知の通り娘はいま西宮に住んでいます。
そう、阪神神戸大震災の激震地なのです。
発生したのが95年だから、ほとんど復興は済んでいますが、 人のこころのきずはそう簡単に癒せも消せもしない。

ただ、当分は地震はないだろうとだれもが思っているだろう。
そんなところに、地震があったのでした。
ひとり借家で地震を体験した娘は、その恐ろしさの あまり家人に電話をしてきたのでした。

「恐かった、ひとりで死にたくないよ」と申しておりました。
「あなたが選んだ場所だからしかたがないでしょ」と家人。
「死ぬときはみんな一人ですよ」
一人暮らしを始めて、まだ弱音をはいたことのない娘も
天災には勝てなかったようでございます。

地震とおやじは同じ仲間なのですがねえ。




・小噺メニューへもどる