今週の気まぐれ本

 

ブック名

縄文土器の技法

著者

可児通宏

発行元

同成社

価格

1500円(図書)+税

チャプタ


@土器を焼く技術の発明
A土器作りの基本工程
B原材料
C土器の成形
D器面の仕上げ(整形)
E文様の施文
F器面の仕上げ(研磨・削り)
G乾燥
H焼成
I縄文土器の文様
J縄文土器はいつ作られたか
K縄文土器は男が作ったものなのか、女が作ったものなのか
 

キーワード

温度のコントロール、焼成温度、燻焼、顔料、漆、樹脂、ベンガラ

 

本の帯(またはカバー裏など)

縄文土器はどのようにして作られたのか

かってに感想(気になるフレーズ)


「縄文土器はどのようにして焼かれたか・・・たくさんの遺跡が全国の津々浦々で調査されているにもかかわらず 、窯のような土器を焼いた遺構はまだ発見されていない」
「弥生土器や土師器については、土器を焼いたらしい遺構が発見されている」
「遺構が発見されていないということは、弥生土器や土師器を焼くのとは違って、地面にまったく手を 加えない状態で野焼きをしたものと考えられる」

「縄文土器が焼かれた温度は、700℃よりも低かったと考えてもよいのではなかろうか」
「縄文人たちも何か温度が上がらないような方法を用いて、温度をコントロールしながら焼いていたのではないか」
「縄文土器の焼成方法の中には、焼締めのほかに特別な効果をねらって行われているものがある」

「土器の表面が生乾きの段階で丁寧な器面調整(研磨)を施し、これを意識的に黒色に焼き上げる ”燻焼”という方法で、研磨との相乗効果によって土器の表面は黒光りする金属光沢の器面に仕上がるというものである」
「顔料で土器の全面、あるいは一部に色付けしたものを塗彩土器、顔料で文様を描いたものを彩文土器」
「ほとんどが焼成後の器面に漆などの樹脂に混ぜて塗られていたようである」

「白色粘土を顔料にした浅鉢のめずらしい例がある」
「黒漆、赤漆を巧みに使った華麗な彩文土器が数多くある」
「縄文時代に使われた顔料には赤色、黒色、白色の三種があり、赤色顔料にはベンガラ(酸化第二鉄) と朱(赤色硫化水銀)の二種類がある。黒色の顔料には煤や炭の粉が使われている。黒の単色で器面を飾る 場合には、”燻焼”の方法でも黒く仕上げることができる」