今週の気まぐれ本

 

ブック名

悲しみの効用(その1)

著者

五木寛之

発行元

祥伝社

価格

1143円(図書)+税

チャプタ


@悲しみの効用
A世辞の効用
Bボケの効用
Cホラの効用
Dおしゃべりの効用
E病の効用
Fマンネリの効用
G鬱の効用
 

キーワード

与楽抜苦、苦しみと怒り、ため息、財施、老い、ボケの効用、大事なこと、引き出す能力、解放

 

本の帯(またはカバー裏など)

「がんばれ」と言ってはいけないとき

かってに感想(気になるフレーズ)


この本には、老いを楽しむ「章名」が多く入っている。
それは「ボケ」「おしゃべり」「病」[マンネリ」などである。
特に老いればいずれ誰もが「ボケ」ることを逆手にとっての助言が面白い。

「仏教の世界では、与楽抜苦という言い方があります。生きる喜びを与え、痛みを和らげるという意味です」
「苦しみとか怒りというのは、その人自身のものであって、母親が息子に代わることもできず、子どもが親に代わることもできない」
「(自分がどうしてしまったのだろう)と何べんとなく思い、そのたびに、『ああ』とため息をつくのは、私は大事なことだと思っているのです」

「財施・・・自分が持っている財力を相手に寄贈する、お金を出すということです」
「老いるからこそ、見えてくるものがある」
「ボケの効用・・・ものごとがぼんやり見えてくる。記憶がぼんやりしてくる。相手の提案したことに対して、漠然としか理解できなくなってくる」

「人が生きている中で、一番大事なことだけを見ていこうとする自然のはたらきではないか」
「記憶は無限だといいますが、記憶の容量はたとえ無限であっても、それを引き出す能力というのには、やはり限界があるような気がします」
「人は老いてますます自由になって、それまでに背中にいっぱい背負ってきたものから解放されていくといいと思います」