今週の気まぐれ本

 

ブック名

ブッダとは誰か

著者

吹田隆道

発行元

春秋社

価格

1900円(図書)+税

チャプタ


@釈迦牟尼の時代
A釈迦牟尼の誕生
B菩薩の悲しみ
C出家
D樹下成道
Eネ―ランジャラー河の畔にて
F伝道の始まり
G二人して一つの道を行くなかれ
H教団の成立
Iその後の伝説
J完全なる涅槃
K涅槃後のブッダ  

キーワード

ものごとのあり方、普遍的、対機説法、包容力、主体である私たち側、自由な我、それぞれ、ファジーな、苦諦の総括

 

本の帯(またはカバー裏など)

およそ二千五百年前、インドに一人の実践哲学者が現れました

かってに感想(気になるフレーズ)


仏教思想は哲学。
「中庸」「正しい」それは人それぞれの尺度でいいのだが・・・。
しかし、人はさらにその答えを求めようとするのだ。

「『ダルマ』は『保つ』という動詞から派生した語です。世界、あるいは社会を保っている ”ものごとのあり方”として理解すべきです」
「釈迦牟尼が菩提樹の下で覚った『ダルマ』は固定したものではなく、普遍的なものだからこそ 、生きた人間に応じて現実の世界で具体的に展開しているものでした」
「釈迦牟尼は現実に即し、千差万別に具体化する『ダルマ』を伝えるために『対機説法』 という方法をとりました。・・・Aという人に対してはAの方向で、Bという人に対してはBの方向で・・・ それぞれに応じた『ダルマ』の説き方をしたのです」

「『対機説法』という手法は仏教が包容力のある宗教となる根幹を作りました」
「人はその苦の原因を”私”を守るために他に求めてしまいます。しかし本当の原因は、主体である 私たち側にあるのです『諸法無我』『諸行無常』『一切皆苦』」
「自分を自分ならしめる自己を確立しながら、かつ、右脳が見極めているすべてのものと一体である ような存在、つまり左脳のエゴがつくる我からは自由な”我でない”というあり方そのものだと考えられます」

「各自それぞれが、自分にとって”ちょうどよい”位置を取ることが『中道』だということです」
「『初転法輪の教え』が伝える『中道』や『八聖道』はまさにこのファジーな教えの代表です」
「五取蘊苦が苦諦の総括となるのは、そのような無常で無我なものを不変なものと見誤って、 私たち自身に都合のよい思いを抱いて執着し、すべて苦しみを生み出しているという現実を明かしているからに他なりません」