今週の気まぐれ本

 

ブック名

空海に学ぶ仏教入門<その1>

著者

吉村均

発行元

ちくま新書

価格

800円(図書)+税

チャプタ


@空海の生涯
A伝統的仏教理解へ
B苦しみを減らしていく段階
C苦しみを根源から断ち切ろうとする段階
D空を体験した者に現われる世界
E言葉を超えたさとりの境地が直接示される段階
F終章:道としての仏教
 

キーワード

納得する目標設定、心のあり方、十住心、実体視&仏教固有、空の境地、顕教&密教、苦しみを減らす、体・言葉・心

 

本の帯(またはカバー裏など)

苦しみから離れることができないのは、欲望のままにものを追いかけ続ける心のあり方にその原因がある

かってに感想(気になるフレーズ)


空海の本の著者は、多くが僧侶である。
しかし、この入門書の著者は少し違うようだ。
だからなのか、実に分かりやすく解説してくれているのだ。

「一律の教えでは役に立たず、その人が納得する目標設定をおこなう必要がある、これが伝統的な仏教の考えです」
「心のあり方を変えることで苦しみを減らしていく仏教の考えと実践に、かれらの宗教にないものを期待しているのです」
「インドや中国からの様々な仏教の教えを、十の心のあり方に体系化した『十住心』」

「十住心は、大別すると、対象を実体視する私たちの心に合わせた段階(第一〜第三)と、仏教固有の段階(第四〜)に分けることができます」
「それぞれの関心や理解の度合いに合わせて、実体視から解放を目指す段階(第四〜第七)と、 すでに空に境地を体験した者に現われる仏の世界(第八・第九)に分かれます)」
「第一〜第九までの教えが言葉を用いて言葉を超えた境地を導く教え(顕教)であるのに対して、 体験がなければ言葉だけで理解することはできないため、秘密の教え、密教とされます」

「苦しみを減らしていく段階(第一〜第三住心)」
「第一異生羝羊心:欲望のままに振舞う心」
「十悪のうち、最初の三つは、体でなす行為、次の四つは、言葉でなす行為です。最後の三つは心でなす行為」