今週の気まぐれ本

 

ブック名

傷のあるリンゴ

著者

外山滋比古

発行元

東京書籍

価格

1300円(図書)+税

チャプタ


@虚の華
A人を見る目
B口舌散歩た
C多足のワラジ
D忘れるが勝ち
  

キーワード

噂を育る、虚の華、人を見る目、おしゃべり散歩、口舌、兼業兼務礼賛の思想、多足のワラジ、随所に主になる、忘れること

 

本の帯(またはカバー裏など)

ヒマなほど忙しい不幸は好運のもと

かってに感想(気になるフレーズ)


筆者の作品には、「忘却」「失敗」とか現代人が嫌う負のキーワードがよく出る。
それが不思議と面白い。
読み終えると、なるほどと思えるのだ。

「われわれは、噂を育てようとする生来の欲望から人に借りたものに何かの利息とわれわれ自身のおまけをつけずに返すことに、何となく気がとがめる」(モンテーニュ)
「古来、すぐれた芸術や書物が残ってきたのは、この虚の華のおかげである」
「人を見る目を育てることにもっと力を入れないといけない。かんたんにだまされて、金を巻き上げられるのも、その眼力に欠けているからである」

「凡夫も、おしゃべり散歩を楽しめば、年を忘れ、われを忘れ、生きること、ようやく楽しと思うことができる」
「口舌、腹を満たすためのみならず、心の活気のもとになるストレス解消を消すためのエクササイズができる」
「家人が倒れたら、夫が家事をする。当たり前のことだ。・・・そう考えるのが兼業兼務礼賛の思想である」

「多足のワラジをうまくはきこなしたら、人生の達人と言ってよかろう」
「”随所に主となる”心で当たれば・・・人生はいくらでも豊かになる」
「とにかく悪いことは、なるべく、早く忘れることである。それには、新しいことを夢中ですることだ」