今週の気まぐれ本

 

ブック名

忘れる力思考への知の条件

著者

外山滋比古

発行元

さくら舎

価格

1400円(図書)+税

チャプタ


@忘れることは頭のゴミ出し
A忘却は英知の純化
B頭を知識の倉庫から思考の工場へ
C新たな思考が生まれる
Dよく覚え、よく忘れる

  

キーワード

自由な空間、活発な忘却、苦しむ、失敗、自分で考える、時間、記憶を洗練

 

本の帯(またはカバー裏など)

友の思いがけない言葉に勇気をもらった

かってに感想(気になるフレーズ)


知的メタボリック・シンドローム。
確かに知識過剰は、芸術的思考を邪魔する。
創造性を発揮するには、「忘却」がいかに大切かが切々とわかる。

「活発な忘却がはたらくと、ガラクタがつまって身動きもできないようなことはおこらない。頭は広々としている。 手近な記憶をもとにして、新しいものごとを作りだすことができる。創造的な思考ができるには、こういう自由な空間が不可欠である」
「失敗して、苦しんで、固定観念のようになっていた知識を捨てて、自分の頭で考えることが大切である」
「他人にものを書かせる仕事をしていると、自分でものを書く気持ちが失われるのである」

「生の記憶は消えやすい。忘却の風にあてて、風化、強化するのはひとつの創造である」
「つまらぬと思って忘れてしまったものも、時がたってよみがえるときには新しいおもしろさを同伴している」
「同じようなことをしている者のいないことが、創造性を高めるであろう」

「たいていの人が、この苦い経験をうとましく思うから、経験の価値が小さくなっているのである」
「忘却と時間でつくる人生は豊かである」
「忘却は、ただ記憶を整理するだけでなく、記憶を洗練し昇華させる」
「温故知新は、そのあいだに忘却を介在させることによって、はじめて新しい文化を創造する原理となり得るのである」