今週の気まぐれ本

 

ブック名

科学と宗教と死

著者

加賀乙彦

発行元

集英社新書

価格

700円(図書)+税

チャプタ


@少年の心に植え込まれた死
A死へのアプローチ
B迫りくる老いと死
C生を支える死と宗教   

キーワード

ガンゼル症候群、拘禁ノイローゼ、躁状態、退屈、趣味、苦しい毎日、熱中、好む、違ったもの、休ませるための死、一つのもの

 

本の帯(またはカバー裏など)

拘置所の医務技官として、・・・常に人間の生と死に向き合ってきた

かってに感想(気になるフレーズ)


「死へのアプローチ」のチャプタで「生老病死」の「死」とは少し違う、「死刑」囚の「死」。
ガン宣告などの病気とは違う。
人間の反応は全く違うようだ。

「診察室で一人の殺人犯に出会ったのです。この男はガンゼル症候群という症状を示し、・・・刑務所に拘禁された囚人の特有の 反応でると知りました」
「未決の重罪被告人と死刑囚では、拘禁ノイローゼの症状がよく似ています」
「とくに多いのは反応性の躁状態で、よくしゃべり冗談を飛ばし、歌ったり笑ったり非常に騒々しいのです」

「無期囚の一番敵は退屈です」
「人間は生きている限り、何かに興味を持つことによって救われると思います。人生には趣味が必要です」
「何も趣味がない人は、囚人ならばなおさら何の楽しみもなく、苦しい毎日を送らなければならないようです」

「何かに熱中すること、何かを好むこと、何か人と違ったものに向かうこと、それが人間に幸福をもたらします」
「もう働くなくてもいいようにするために老いがあって、もう休ませるために死がある」
「生と死は一つのものである、変化なのだと言っています」