著者の本は、他と違う視点からの深堀りが面白い。
なるほど、そうだったのかと思うことや、へーと思うことが多いのだ。
アートが国内外でどのように変遷、互いに刺激し合っていったのか、刺激的だった。
「鏝絵の開祖・入江長八は現在の静岡県に生まれている」
「関西に金剛組・・・創業者が聖徳太子(百済より三人の宮大工を招いた一人)」
「二重橋や日本橋、・・・などのアーチ型石橋をつくったのは、熊本の石工の丈八」
「街づくりとはこういった職人、つまり技術者によるアートだった」
「西洋建築のレリーフやフレスコ画に代わるものとして、明治新政府は長八の鏝絵技術に注目します」
「鯱って姿は魚で頭は虎、尾ひれは常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っている」
「西洋では…建物の周りにライオンがずらっと並んでいます。何でライオンを並べるのか・・・夜寝るとき
眼をあけて寝るという性質・・・」
「神農像・・呪術を持った中国の文様の代表例・・・葉っぱ噛んで、世界中を回りながら、薬はないか、毒はないかと
いって、・・・チェックを全部してくれた人です」
「古代ギリシャではゴルゴンという髪の毛が蛇だった怖い女の人、見ると石になっちゃう・・・」
「ルネサンス人は古典を再発掘したのではなく、古典の新しい味わい方ーというよりも『楽しみ方』発明したのである」
「ルネサンスは、『テイスト(趣味、嗜好)』が生まれ・・・」
「ルネサンスは、・・・『ファインアート(趣味ある美術、イケてる絵)』が出現した時代でした。
そして、このとき、当然ながら、バッドテイスト(悪趣味)というカテゴリーも誕生した」
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