今週の気まぐれ本

 

ブック名

アラマタ美術誌

著者

荒俣宏

発行元

新書館

価格

2940円(図書)

チャプタ


①ヒトはどうして絵を描くようになったのか
②装飾芸術論ー「濃いアート」は秘密だらけ
③差別する美学ーヒトはなぜ悪趣味を求めるのか
  

キーワード

鏝絵、技術者によるアート、レリーフ、フレスコ画、ライオン、鬼、神農、ゴルゴン、楽しみ方、テイスト、ファインアート

 

本の帯(またはカバー裏)

根本的な人類の能力について、
お話を始めたいと思います

かってに感想(気になるフレーズ)


著者の本は、他と違う視点からの深堀りが面白い。
なるほど、そうだったのかと思うことや、へーと思うことが多いのだ。
アートが国内外でどのように変遷、互いに刺激し合っていったのか、刺激的だった。

「鏝絵の開祖・入江長八は現在の静岡県に生まれている」
「関西に金剛組・・・創業者が聖徳太子(百済より三人の宮大工を招いた一人)」
「二重橋や日本橋、・・・などのアーチ型石橋をつくったのは、熊本の石工の丈八」

「街づくりとはこういった職人、つまり技術者によるアートだった」
「西洋建築のレリーフやフレスコ画に代わるものとして、明治新政府は長八の鏝絵技術に注目します」
「鯱って姿は魚で頭は虎、尾ひれは常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っている」

「西洋では…建物の周りにライオンがずらっと並んでいます。何でライオンを並べるのか・・・夜寝るとき 眼をあけて寝るという性質・・・」
「神農像・・呪術を持った中国の文様の代表例・・・葉っぱ噛んで、世界中を回りながら、薬はないか、毒はないかと いって、・・・チェックを全部してくれた人です」
「古代ギリシャではゴルゴンという髪の毛が蛇だった怖い女の人、見ると石になっちゃう・・・」

「ルネサンス人は古典を再発掘したのではなく、古典の新しい味わい方ーというよりも『楽しみ方』発明したのである」
「ルネサンスは、『テイスト(趣味、嗜好)』が生まれ・・・」
「ルネサンスは、・・・『ファインアート(趣味ある美術、イケてる絵)』が出現した時代でした。 そして、このとき、当然ながら、バッドテイスト(悪趣味)というカテゴリーも誕生した」