今週の気まぐれ本

 

ブック名

神と怨霊

著者

梅原猛

発行元

日本放送出版協会

価格

1850円(図書)

チャプタ


主なもの
 ①来生主義者
 ②布施について
 ③日本美術史における新説
 ④閑暇を盗む
など

キーワード

裸の眼、法施、財施、無畏施、愛嬌のある、宇宙的、童子、三位一体、ぼんやりとした時間

 

本の帯(またはカバー裏)

思うままに

かってに感想(気になるフレーズ)


  怨霊の話と神になった人物の話が面白い。
 そろそろ90歳になるはずだが、探求心は人並み外れている。
 この本の中では、まだ5冊の本をものにしたいと書かれている。

「人間は、実は常識という色眼鏡でものをみているのである。・・・ものの真相をみるには、子どものような裸の眼が必要であろう」
「布施には、金銭や物品を与える財施及び学問や知識を与える法施とともに、無畏施という人間の不安を取り除く布施がある」
「人の集まるところでいつも人を楽しませる人がいる。そういう人は『愛嬌のある人』などとよばれる」

「芸術家や役者やスポーツ選手などは無畏施すなわち人の不安を除き、人を楽しませる贈与を行う職業であると論じた」
「すぐれた芸術家には宇宙的といってもよい霊が乗り移ってよい芸術を作らしめるももであり、太郎氏の芸術も、 縄文の霊、ディオニュソスの霊などが乗り移って作らしめたものであると考える」
「終生童子のような純粋な心を失わず、絵画においても彫刻においてもすばらしい作品を作ったばかりでなく、 日本美術史にも不滅の足跡を残した岡本太郎氏と親交を結ぶことができた」

 「円空が自らの芸術の変化を文章ではなくこの百八十四枚の絵によって表現していることが おぼろげながら見え始めてきたのである」
「彫像一辺倒ではなく、彫像と絵と和歌との三位一体の上に円空を認識したのである」
「学者や芸術家が新しい着想を得るのは、何の用事もないただぼんやりした時間の中においてであり、・・・」