今週の気まぐれ本

 

ブック名

河井寛次郎の宇宙

著者

(編)河井寛次郎記念館

発行元

講談社

価格

1890円(図書)

チャプタ


 省略

キーワード

最高なもの、売るということ、一点だけ、此世、書き留める、形体、生命力あふれる、エネルギッシュ

 

本の帯(またはカバー裏)


何という今だ
今こそ永遠

かってに感想(気になるフレーズ)


  今年の2月、広島の廿日市美術ギャラリーでの展示作品を思い出しながら、フレーズを読んでみた。
 それから、インクトレイ造形にヒントをもらった。
 どの造形を見ても、大胆さと繊細さが同居しているのだ。

「私は気の中にいる、鉄や真鍮のなかにもいる、人の中にもいる。」
「人はその人が出した最高なもので評価されなければならない」
「売るという事が始まってからの物の乱れ、わかりもしない人の好みを相手に作る事からの物の乱れ、 先ず自分の為に作らねばならない、自分を喜ばす物から作らねばならない」

「此世は自分を探しに来た処」
「常々父が一点だけという集合的な展観は無意味だといっていた」
「制作中の創作の『かたち』が現れてくるとガバと起き出して、広告の紙の裏に矢立の筆でそれが 逃げないうちに急いで書き留めておくといった習性は終生つづいていたようだ」

 「父も就寝中に現れてきた言葉や、模様や、形体を仕事に具現していった」
「陶土にしても磁土にしても、先ず形体を成すことが一番大切な基本だと考えている」
「形体あるものなべて無に還ること、識りてこそ創りましにし」
 「『芸』が枯れてゆくタイプもあるが、寛次郎は全く逆で、肉体は老いていくのに、 その精神と作品はエネルギッシュに、大胆に、生命力あふれるものとなっていったのである」