今週の気まぐれ本

 

ブック名

福沢諭吉
国を支えて国を頼らず(その1)

著者

北康利

発行元

講談社

価格

1890円(図書)

チャプタ


 序章:聖徳太子を継ぐ者
 @門閥制度は親の敵でござる
 A「自由」との出会い
 B「私」の中の「公約」
 C「学問のすすめ」
 

キーワード

時代に必要な知、一身の独立、人材、一期一会、簿記、自由在不自由中、女性の自主独立、地方分権、ビール、政権・治権

 

本の帯(またはカバー裏)


昭和59年11月1日ーこの日、通貨の世界において
静かな禅定が行われた

気になるワード
・フレーズ


省略

かってに感想(気になるフレーズ)


約350ページに渡る「福沢諭吉」の伝記である。
諭吉が没して100年以上経つが、「地方分権」「女性の地位向上」は、いまだに達成できていない。
  やっと、維新という政党が地方分権を訴えて、頑張っているが、最近はどうも怪しい。
女性の地位向上は、安倍政権の謳い文句になっているが、世界に比べると数段遅れている。
 女性の経済的な自立はまだまだ遠いようである。

「福沢は『無知の知』を知らせるなどといった迂遠な方法はとらず、『時代が必要とする知は何か』を 直截的に語ることで彼らを導いていった」
「一身の独立なくして一国の独立なし」
「人材というものは、うまく育てればその実りの豊かさは果実の比ではない」

「『修身論』の教えるところは自由と平等と友愛である」
「『西洋事情・初編』は、・・・発売部数は20万部を超える大ベストセラーとなった」
「半学半教』の教えは、学問に終着点はないという彼の信念を実にわかりやすく表現している」

「諭吉は人の交際に関して、二つの大きな長所を持っていた。一つは一度会っただけで顔と名前を覚えることができたこと。   もう一つは億劫がらずに手紙のやりとりを続け、一期一会を大切にしたことである」
「諭吉が紹介した実学の中でも代表的なのが『帳合之法(現在の簿記)」である」
「自立できず他に依存するような人間ばかりで、この国がいい国になるはずがない」

 「『学問のすゝめ』は第十七編まで発刊され・・・実に340万部以上が売れ、洛陽の紙価を高めた」
「自由というものは、社会に対する義務や貢献(不自由)を伴うものだということを指摘し、 そこをはっきりさせなければ自分勝手に主義に堕してしまうと警鐘を鳴らしている。(自由在不自由中)」
 「諭吉は女性にも自主独立を求めたのだ。独立して生計を立てられる職場を提供しようと、明治5年、慶応義塾の中に衣服仕立局を 作っている」

「地方の教育機関に対し積極的に人材を派遣していったことである。諭吉は権力の集中を嫌う。教育の面でも東京への一点集中を 回避しようと考えたのだ」
「ビールは談論風発させるのに相応しい酒だというのが諭吉の持論だった」
 「国権には『政権』(軍事や外交)と『治権』(地方の治安維持や教育)があるというのが諭吉の持論である」

「諭吉は『分権論』を執筆。地方分権こそ士族の不満を解消する鍵であると説いた」