今週の気まぐれ本

 

ブック名

老いを生き抜く

著者

森本哲郎

発行元

NTT出版社

価格

1890円 (図書)

チャプタ


 @人生百年時代を生き抜く
A道元禅師を訪ねて

キーワード

老境、老いの自覚、無教養、精神の老化、過去を支え、復習、草木の出生の悟り

 

本の帯(またはカバー裏)


長い人生に
ついての省察

気になるワード
・フレーズ


省略

かってに感想


筆者は最近亡くなっている。
この著書は、一昨年筆者が86歳の時に書かれたものである。
 少子高齢化時代に、この世代の人がボケない前に「老いとは」に、言及しているところが面白い。

 また、先週読んだ中野孝次著「いのちの作法」の中に出てくる道元禅師の「生死」「而今(しきん)」の解説  部分が同じであり、それを的に読んでいる自分も面白い。
 老いると人間それぞれに、生死を解明すべく?自分が納得すべく、過去の宗教本や哲学書などをひも解くようだ。
ほとんどの凡人はそういったことも考えず、死を畏怖して死んでいくように思う。

「老境というのは七十代半ばから始まるのではなかろうか」
「老いの自覚とは、”試練”を人間に課すのである」
「73歳でやや禽獣虫魚の骨格や草木の出生を悟り得た」(北斎)

「無教養では、老境の憂さにとうてい太刀打ちできない」
「人間は体力の衰えは自覚しても、精神の老化には容易に気付かないものらしい」
「老年の毎日は復習である」

「老者は過去を支えに歳月を送る。だから、老境に至ると、忘れることをおそれる」
「道元禅師は、人生がいかに早く過ぎ去るかを繰り返し説いている」
「道元禅師の『而今』からすれば、生と死のありようは、生きている時は、生よりほかは何もなく、 死の時が来れば、死(滅)のほか何もない」