今週の気まぐれ本

 

ブック名

人間はいろいろな問題・・・

著者

森博嗣

発行元

新潮社

価格

735円 (図書)

チャプタ


@『具体』から『抽象』へ
A人間関係を抽象的に捉える
B抽象的な考え方を育てるには
C抽象的に生きる楽しさ
D考える『庭』を作る

キーワード

現実から飛躍、仮の発想、違う視点、好奇心、抽象化、場、種蒔きと雑草の手入れ

 

本の帯(またはカバー裏)


熟考したつもりでも、私たちは思い込みや、
常識など具体的な事柄に囚われている。

気になるワード
・フレーズ


省略

かってに感想


この人の本は面白い。
考え方が、システム化そのものなのだ。
いわゆるシステム化構想に始まり、プログラミングまでなのだが、 筆者の言う『考える庭作り』が問題なのである。

「物事を客観的に、そして抽象的に考えるには、どうしても現実から飛躍する必要がある」
「『仮の発想』がなければ、物事を抽象的に捉えられない」
「自分の目ではない視点を持たなければ、客観的な全体像は見えてこない」

「現実にない概念を捉えるには、体験したもの、教えられたもの、知っているものに 囚われることのない新しい感覚を持っていなければならない」
「異質なものを受け入れる『好奇心』のような姿勢がとても大事なファクタになる」
「抽象化によって、適用できる範囲が広がり、類似したものを連想しやすくなる」

「『発想』すなわち、『思いつく』ことは、実は一般に認識されている『考える』とは、 まったく違った頭脳活動なのである」
「日頃から、抽象的にものを見る目を持っていること、そうすることで、自分の頭の中に 独自の『型』や『様式』を蓄積すること、そして、それらをいつも眺め、連想し、 近いもの、似ているものにリンクを張ること、これらが、素晴らしいアイデアを思いつく 可能性を高める、というだけである」

「人生を楽しむためには、この虚しさと親しみ、明日死ぬと思って毎日行動することだし、 また、永遠に生きられると想像して未来を考えることである」
「抽象的思考というものは、結局は、そういうふうに考えられる頭、面白い発想、 新しい思いつきが生まれる『場』を作ることが第一であり、そういう『場』というのは、 一朝一夕にできるものではなく、毎日毎日、自分の思考空間を観察して回り、 具体的な雑草を見つけたら抜き、こんなのがあれば良いなというものの種を蒔く、そう いう手入れを少しずつ続けてこそ、ゆっくりと、しだいに現れてくるものではないか」
「自力で頭脳の世話をしなければ、新しい発想、優れたアイデアが生まれる土壌は 育たないし、また維持もできない」