この人の本は面白い。
考え方が、システム化そのものなのだ。
いわゆるシステム化構想に始まり、プログラミングまでなのだが、 筆者の言う『考える庭作り』が問題なのである。
「物事を客観的に、そして抽象的に考えるには、どうしても現実から飛躍する必要がある」
「『仮の発想』がなければ、物事を抽象的に捉えられない」
「自分の目ではない視点を持たなければ、客観的な全体像は見えてこない」
「現実にない概念を捉えるには、体験したもの、教えられたもの、知っているものに 囚われることのない新しい感覚を持っていなければならない」
「異質なものを受け入れる『好奇心』のような姿勢がとても大事なファクタになる」
「抽象化によって、適用できる範囲が広がり、類似したものを連想しやすくなる」
「『発想』すなわち、『思いつく』ことは、実は一般に認識されている『考える』とは、 まったく違った頭脳活動なのである」
「日頃から、抽象的にものを見る目を持っていること、そうすることで、自分の頭の中に 独自の『型』や『様式』を蓄積すること、そして、それらをいつも眺め、連想し、
近いもの、似ているものにリンクを張ること、これらが、素晴らしいアイデアを思いつく 可能性を高める、というだけである」
「人生を楽しむためには、この虚しさと親しみ、明日死ぬと思って毎日行動することだし、 また、永遠に生きられると想像して未来を考えることである」
「抽象的思考というものは、結局は、そういうふうに考えられる頭、面白い発想、 新しい思いつきが生まれる『場』を作ることが第一であり、そういう『場』というのは、
一朝一夕にできるものではなく、毎日毎日、自分の思考空間を観察して回り、 具体的な雑草を見つけたら抜き、こんなのがあれば良いなというものの種を蒔く、そう いう手入れを少しずつ続けてこそ、ゆっくりと、しだいに現れてくるものではないか」
「自力で頭脳の世話をしなければ、新しい発想、優れたアイデアが生まれる土壌は 育たないし、また維持もできない」
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