今週の気まぐれ本

 

ブック名

随想

著者

小泉淳

発行元

文藝春秋

価格

2300円 (図書)

チャプタ


主なエッセイ
 @作家の姿勢
 A情報過多の時代
 B時間がない
 C個展で得るもの
 D個性というもの
 E売れる絵売れない絵
 F時流に迎合するな

キーワード

身を遠ざける、第一歩、大自然、養分を蓄える、共鳴、自分自身、先人

 

本の帯(またはカバー裏)


個展・・・1回終わるごとに
がっくり年をとった気がする

気になるワード
・フレーズ


省略

かってに感想


芸術家がこんなにたくさんのエッセイを書いているなんて思いながら・・・。
芸術家は、どんなものをモチーフにし、やる気の継続をどうしているのか。
そんなところが少しでも見えないかと、じっくりを読み進めてみたのだ。

「たくさん観ることによって、己の眼が肥えてくると思ったら、とんでもない間違いで、 本物か、贋物かを見極める能力を持ちたいと思ったら、これらの展示から、 まず身を遠ざけることだ。・・・まず自分が本物に以外にない・・・」
「芸術に関しては・・・、先人の残した成果の上に、さらに自分の仕事を継ぎ足すことができず、 一人、一人がその第一歩から自分で歩み出さなければならない」
「作家は一生涯の間、つねに大自然の造形の妙や、世のさまざまの現象や、果ては己の 人生そのものからも、絶えず教わることで養分を蓄えて行かなければならない・・・」

「私は人のいうことなんぞ、決して絶対、創作のときはきかぬ。人のことをきくと、 ウソになりますからね(坂本繁二郎)」
「人にとって一番わからないのは自分自身ではないだろうか。ことに自分自身の持っている 能力や、隠れた才能などは、生涯努力して掘り起こして行かなければ探求できない問題 だろう」
「個展・・・自分の仕事に共鳴してくれる人に出会えることである。 ・・・一人でも多くの人に作品を見てもらい、知己を得ること・・・」

「アマチュア・・・プロ・・・誰であろうと芸術はあくまでも自分自身のため仕事を するのである」
「画題などは、身辺どこにでもころがっているものと心得るのがほんとうではないか」
「先人たちの遺した作品の展覧会はできるだけ見る努力はするべきだと思う。永い歳月の間に多くの識者たちに餞別されてきた作品には優れたものが多い」