〜〜 (母の病気パート2H9.9.6記)〜〜 母は病気をするために生まれてきたようなところがあると、 母の病気パート1では書いた。 母の病気は蓄膿の手術を始めに、 腎う炎による記憶障害と失禁、子宮・卵巣摘出手術、この手術のとき、 担当の医師からエミ姉ちゃんは「腎臓が片方しかありませんね」と言うのを聞いたのである (これは手術の日まで、兄姉私も全く知らなかったことだった。)。 そして、白内障の手術、もともと持っていた夜盲症と視野狭窄、さらに、 寝たきり老人のいまはパーキンソン病。 どれ一つとっても大病であり、 母の我慢強さに敬服するとは逆に、なんで母だけに神はこんなに試練を与えたのか。 家族全員の病をすべて背負うために生まれてきたような人ではないだろうかと、 エミ姉ちゃんと話したことがある。 離せばわかる世代になって、初めて年を負うことの意味が分かってきたが、 それにしても母と病気との闘い、つきあいはあまりにも長く多すぎたような気がする。 そんな母だから、家から外出しても市内の商店街程度で、 母が旅行などで岡山市内を出たという記憶は全くない。 せめて、元気なときに連れていってあげればよかったと思うが、 寝たきりになる前、近所に住んでいたエミ姉ちゃんの誘いをいつも断っていたようである。 寝たきり老人になってしまった母を思う時、母の一生の行動範囲は実に狭く、 老後を楽しむこともなく終わるのかと思うと、うら寂しさを覚える。 一方で、「おまえたち兄姉弟三人、私のことを心配するより、 私が死んでもうまくやっていけるのかい」という母からの無言のメッセージが、 発信されいているような気がする。 |
〜〜 (ウンチクH9.10.11記)〜〜 ウンチが出過ぎても困るが、出なくても困る、 元気がいい時にウンチが出る出ない、やれ便秘だ、下痢だ、 3日も出ないだ、水のようだと騒ぐのはまだいい。 寝たきりの人にとって一番恥じらいをもつのは、初めてオムツをし、 異性に自分の性器をさらけだすことであろう。 恥じらいがあると介護する側もされる側も余計に気を使うことになる。 母の場合、エミ姉ちゃんは定期的に下剤を飲ませ排便処理をこなしていた。 ところが、最近下剤を飲ませなくてもスムーズな便通があることから自然に任せていた。 そうしていたところ、週1度訪問看護の人が来て入浴させてもらう時に、それも二度連続で、 浴槽の中にウンチをふんだんにしてしまったのである。 赤ちゃんを入浴させた時、つい気持ちのよさからか、 しらぬまにウンチが浮いてくることがあるが、 大人のウンチは臭く大きく量も多く処理するものはたまったものではない。 きっと排便した母は最高に気持ちがよかったのであろうが、 エミ姉ちゃんの頭痛の種がまたひとつ増えてしまったのである。 |
〜〜 (ボケるということ:H9.10.18記)〜〜 長谷川和夫著「ボケる脳ボケない脳」の中にボケ防止8カ条というのがある。 ちょっと抜粋してみると、 @血管の老化を防ぐ努力をする。 A痴呆を予防する食事。 B適度な全身運動を行う。 C明るい気持ちで生き生きとした生活をするよう努める。 D全般的に体のコンディションをよい状態にしておく。 E頭を使う習慣を身につける。文章を書く習慣。 F人とのつながりを大切にする。 Gストレスを乗り切りチャレンジ精神を忘れずに サラリーマン生活を長くしていると、この8カ条はその生活に欠かせないものでもある。 少なくともこのホーム通信を続けていればE〜Gは、 十分満足できるものではと密かに満足しているが、 果たしてその結果はというと、死を迎えるまでわからないということなのだ。 母の場合、どうかと言えばパーキンソン病を患い、寝たきりが4年以上続いているが、 訪問した時に「こんにちは元気か」と言えば「元気はありゃーせん」と返ってくる。 また、帰る時に「じゃあー帰るから」と言えば「もう帰るのか」と返ってくる。 しかし、エミ姉ちゃんによれば、私が帰った後で「誰が来たのか」と母に聞くと、 答えは「………」と返答は返ってこないのである。 |
〜〜 (在宅福祉サービス:H9.10.25記)〜〜 市役所のパンフレットには、在宅福祉サービスとして、 ホームヘルパーの派遣(調理、掃除、洗濯、身の回りの世話、通院の付き添い)、 ショートステイ(特別養護老人ホームで一時的に預かり(7日以内)、 ナイトケアやホームケアを行う。)、 デイサービス(入浴、食事、生活指導、日常動作訓練)の3つの大きなサービスが書かれている。 エミ姉ちゃんは、ショートステイを年2回ほど利用する。 母の場合、動かずものもしゃべらないので、 扱いやすく特別養護老人ホームの職員の方には歓迎される。 でも、エミ姉ちゃんはあまり預けたくない。 母が帰ってくると床擦れが悪くなって帰ってくるからである。 母の食事が超スローになってきたため、 十分に食べきれずに食事タイムが終わっているのではないだろうかと、 エミ姉ちゃんはいつも心配しているのである。 |
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