今週のおすすめ本


ブック名 いのちに始まる 著者 住井すゑ
発行元 大和書房 価格 1500円
チャプタ @人間らしい生き方とは
A誰もが自由であるために
B「橋のない川」のはじまり
C悔いのない人生を
Dこれからの私、これからの日本
(終)人生は棺桶の蓋をされるまでわからない
キーワード 平等、自然の軌道、分相応、人間に貴賎の別なし
本の帯 ・なにを愛しむのか、人間として守るべきもののために闘う。それが”生きる”出発点だった。
・私は人間の歴史として、人間が同じ人間を差別した事実とそのことで差別された人間がどれほど悲しい思いをしているのかを知って欲しいと思います。それがわからなければ、人間の歴史はわからない。にんげんそのものもわからないことになりますから
気になるワード
・フレーズ
・天皇制、世襲制、差別と区別、穢れ
・苦労は売っていない。生まれる場所は選べない。
・老人問題は人間の問題
・人間は時間の上に平等である
・気短では何も成功しない。へたでもいいから続けることが大切
・人間が作った制度であれば、皆がその気になればかえられる。
かってに感想 ・とにかく気になるフレーズが多い。一語一語噛みしめながら、最後まで一気に読んだ。
・この作品には「橋のない川」を書いた著者の考え方の原点がある。真の平等とは何か。人間の生き方、可能性、社会の制度、自然の摂理、宗教等チャプタの終わりあたりに思わず納得できるフレーズが出てくる。
・特に気になるフレーズは、「気になるフレーズ」のところに記載したが、
44才を過ぎてから、やっと新しいことにチャレンジしている自分にとって、勇気づけられる言葉が多い。
・最終章で「人間棺桶の蓋をされるまでわからない」の中で「人と人のめぐりあいの循環には人間の企て以外に何か自然のものがある。」は、半生しか生きていない自分ですら、人の出会いには不思議なものを感じている。
・住井さんは95才を迎え、なお「橋のない川」第8巻を執筆中である。その意志の強さと平等な社会の建設に向けて、自分の信念を貫き通す力には感嘆する。
・このホームページを作成した後、住井さんの訃報を聞いた。「人間棺桶の蓋をされるまでわからない」と言っていたご本人は満足の
いく一生だったのだろうか。いや「人間平等の思想」を貫き「橋のない川」を読む限り、常に前向きに取り組んできた人だけに、一日一日を大切に生きてこられたと思う。満足のいく……とは愚問である。終わりに静かにご冥福をお祈りしたい。
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